賃貸物件を退去するとき、「壁紙の汚れ」や「床の傷」を理由に、思いがけず大きな費用を請求されるケースがあります。なぜこうしたトラブルが起こるのか、そして回避するにはどうすればよいのか――動画では、大学生や新社会人など、初めて一人暮らしを経験する人が知っておきたいポイントをわかりやすくまとめました。
Contents
3行まとめ
- 入居時・退去時にしっかりと写真や動画で状態を記録しておく
- 通常の経年劣化は借主負担ではないため、契約時の条項を要確認
- 不明瞭な請求があれば、不動産会社や専門機関に相談する
1. 退去時に不当請求が起こる背景
経年劣化と故意・過失の区別
日常的に生活していれば、壁紙の色褪せや床の微細な傷など、自然とできてしまう損耗があります。こうした「経年劣化」は本来、貸主の負担で修繕するべきものです。
しかし、知識がないと「壁紙の汚れ=すべて借主の責任」と思い込まされてしまうこともあり、結果として不当に高いクリーニング費用や修繕費を負担させられるケースが出てきます。契約書・特約事項の不明瞭さ
賃貸契約には「退去時はハウスクリーニング代●●円かかります」といった特約が設定されていることがあります。これ自体は違法ではありませんが、内容が過度に借主へ負担を強いるものかどうか、契約時にきちんと理解しないとトラブルのもとになります。
2. 入居時・退去時に記録を残すことが最強の防御策
動画でも強調されていたのが、入居直後と退去直前の部屋の状態を写真や動画で記録しておくことが重要です。
入居時に撮影する
- 壁紙の汚れや床の細かい傷、設備の故障など、目についた部分をあらかじめ記録
- 気づいた点はすぐに不動産会社へ連絡し、できればメールなど「証拠が残る形」で報告
退去時に撮影する
- 退去直前も同様に撮影し、入居時との差分がわかるように残す
- オーナーや管理会社に「ここはもともと傷があった」と証明しやすくなる
このように客観的な証拠を持っておけば、退去時に「もともとあった傷だ」「通常使用の範囲だ」ということを冷静に主張できます。
3. 経年劣化と故意・過失の判断基準
3-1. 経年劣化の例
- 家具を設置していた場所の床のへこみや色あせ
- 長年の使用によるクロスの色落ち
- 水回りの軽微なサビや汚れ(通常範囲)
3-2. 故意・過失の例
- タバコの焦げ跡やニオイによるクロスの焼け
- 飲み物をこぼして放置してしまいできたカビやシミ
- 明らかな乱暴な扱いによるドアの破損
大学生だと、友人を大勢呼んだり、深夜まで遊んだりすることが多い場合があります。どんなに注意していても部屋が汚れたり傷ついたりするリスクはありますが、少しの心がけでトラブルは大きく減らせます。
4. 契約時にチェックしたい特約事項
4-1. ハウスクリーニング費
「退去時にはクリーニング費用を一律で支払う」と契約書や重要事項説明書に書かれている場合があります。相場を超えて不当に高い金額を請求されるようなら、管理会社や宅地建物取引士に疑問をぶつけてみましょう。
4-2. ペット・喫煙の扱い
ペット可の物件でも、退去時には「ペットがつけた傷・汚れは借主負担」となることが多いです。喫煙者の場合も、ヤニ汚れは経年劣化とは見なされにくいので注意しましょう。
5. 不明瞭な請求があったときの対処法
まずは管理会社・オーナーに直接交渉
証拠写真や契約書の条項を提示しながら、冷静に話し合います。感情的になると状況が悪化するので、論理的に対応しましょう。第三者に相談
自分だけでは解決できない場合は、各自治体の消費生活センターや不動産のトラブル相談窓口などを利用できます。大学生なら、大学の生協や学生課が情報を持っていることも多いので、まず身近なところに相談してみてください。
まとめ:退去時に不当請求を防ぐための3行
- 入居・退去時の状態を必ず写真・動画で記録する
- 通常使用による経年劣化は基本的に借主負担ではない
- 不明な請求があれば管理会社・専門機関にすぐ相談
ちょっとした知識と準備で、退去時のトラブルは大きく減らせます。動画でも強調されていたように、「借主側が何も知らないまま」だと、悪質な業者やオーナーにつけ込まれるリスクが高まります。
大学生のうちにこうした情報を身につけておけば、いざ卒業して社会人になった後も賃貸契約をスムーズにこなせます。新生活を気持ちよく終わらせるためにも、ぜひ今回のポイントを頭に入れておいてください。